文科省の出した「不登校児童生徒への支援に関する最終報告(案)」で「担任が一人で抱えるよりも、SCやSSWなどの専門家や、養護教諭などの協力も得て、チーム学校として対応するのが重要」って、いまさらいわなくても当たり前のことですよ。
何十年も前からいわれているのですが、実際にできていないのです。
鳥取県教育委員会も、不登校の理解と支援のための教職員研修資料「あした、また学校で Ⅲ」を配布しています。
平成27年3月に改訂されての「Ⅲ」です。
しかし、「学校復帰」「学校へ連れ戻すこと」だけに重点が置かれているのはおかしいです。
不登校児童生徒への対応についての「根本的な考え方」が間違っています。
子どもの不登校についての本質の理解ができていない、偏った対応策になっていることが大きな問題なのです。
それが、不登校の子どもや親御さんをさらに苦しめています。
このような対応によって、子どもはますます追い込まれているということをきちんと理解することが必要です。
そのうえで、子どもの自立とは何か、自立のためには何をどのようにしていくのかという具体的な提案と実行力が問われているのです。
この資料の中で「不登校への対処」として、こう書いてあります。
「本人が動き出すまで待ちましょう」
「登校刺激はよくないので避けましょう」
「温かく見守りましょう」
という考え方で、ただ待っていても解決しません。
積極的な関わりを通して解決につなげていくことが大切です。
不登校の解決は「社会で生きていくこと」学校は子どもにとって社会そのもの。
子どもは社会の中で成長することを忘れずに。
(引用ここまで)
このような一方的な対応指導こそが問題なのです。
県教委や学校からの決めつけや一律的、子どもの心情を無視した対応では解決できません。
学校環境が一人ひとりの子どもに合っていない、適切な対応ができていないため、「学校に行きたくても行けない」「学校に行けば行くほど苦しい思いをしている」状態になっていることを理解し、環境改善に努めていく必要があるのです。
学校環境はそのままにして、子どもが学校に来れるように適応指導という「訓練」をするだけでは不登校は解決しません。
そもそも「不登校」というレッテル自体が間違っているのです。
また、「80~90%の子どもたちには、専門家が直接関われていない」とあります。
制度的に相談機関は設けられていますが、その目的も「学校復帰」のみです。
多様な教育の機会や場の設定を認めることになっていないため、学校に行けない子は行けないまま放置されているのが現状です。
早急に不登校の「本質の理解」の上に立った改訂版を出して、実行していく必要があります。
「昔はよかった」かというと、そうでもないんです。
学校や地域で困っている子や人はいたのですが、声を出せなかったのです。
今よりはお互いの関わりがあったのですが、それでも隠して誰も知らないで必死に生きていたのです。
今はなんでもありの世の中になりましたが、学校や地域への無関心がさまざまな問題を起こしています。
学校任せにしないで、地域の人が自分の子どもの学齢期だけでなく、もっと関心をもって入っていくことが必要です。
学校や地域をよくしていく方法はいろいろあります。
しすぎるのはよくないですが、おせっかいのばあやん、じいやんの存在は大事ですね。
無関心ではなく、自分のできることで関わっていきましょう。
不登校に関する調査研究協力者会議(文科省)
平成28年07月29日 不登校児童生徒への支援に関する最終報告
平成27年09月07日 不登校児童生徒への支援に関する中間報告