これまでも子育てや発達障害に関するいろいろ本を読みましたが、これは実践向きというか、子育てについての具体的な方法が書いてあるので、とても分かりやすいです。
『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』
専門家が書いたのではなく、お母さんが生の実践をそのまま書いたというところが素晴らしいです。
文章からは温かみが伝わってきて、なんだかホッとした気持ちになります。
「発達障害・グレーゾーンの解説用イラスト」は一目見ただけで、”日本一分かりやすい説明図”といってもいいです。
「声かけ変換表」は、すべての子どもに通用しますし、「こうすればうまくいくよ」という具体的な方法が示してあるので、見てすぐに使えることばかりです。
「こうやったら、子どもが自信をもって歩んでいけるよねえ。」と、納得することばかりでした。
また、学校・園生活の工夫や学習サポートについても書いてありますので、親御さんはもちろん、学校の教職員にも参考になることが多いので、子どもの教育に関わるすべての人に読んでほしいです。
「教職員用の発達障害の理解と支援」に関する教材として採用されるといいなと思いました。
学校での対応に課題をもっておられる教職員に対して、親御さんから「こんな方法もありますよ。」と教えてあげるのもいいと思います。
発達障害の「子育て」というテーマですが、子育て期間は就学年齢に限られたことでもないです。
また、大人になってからも良好な人間関係を作るのにも有効だと思います。
ツールや資料はホームページからダウンロードもできます。
気づいた時に気づいた人が自分のできることをしていくこと、必要な人に必要なものを提供することが基本だと思います。
ただ、一人ではできないことも多いので、いろいろな人とつながって支援を求めていくことも必要ですね。
私も毎日が試行錯誤の繰り返しです。
子育ても自分育ちも遅すぎることはありません。
気づいたその時がスタートですし、見直すチャンスはいつでもあります。
この本は、親子関係や教育現場での対応の仕方だけでなく、介護などの福祉の現場や職場での上司と部下の関係構築、家族や夫婦間のコミュニケーションなど、人間関係作りに有効だと思います。
書いてあることをそのままやってみるだけですからカンタンです。
アドラーは「あらゆる悩みは対人関係の悩みである」といっていますが、それと共通するものを感じました。
私の勝手な推測ですが、もしかしたらこのお母さんもアドラー心理学を学んでおられるのかなとも思いました。
過去の出来事そのものは変えられませんが、自分の意味づけや受け止め方を変えることで過去の「マイナス」をこれからの目的に対して「プラス」に変えることも可能です。
自分の意識を変えることで、未来を創ることも他人との関係も変えていくことも可能です。
・・・と、いろいろな思いが整理できた一冊です。
「発達障害・グレーゾーンの解説用イラスト」や「声かけ変換表」はこちらからダウンロードできます。
http://www.rakurakumom.com/
楽々かあさんの「毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」
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執筆者:azbooks