平成28年9月14日に文科省から県教育長宛に出された通知があります。2年前のことです。
不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
「不登校児童生徒を支援する上での基本的な姿勢」として
・不登校を「問題行動」と判断してはならない。不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭する。
・不登校児童生徒が「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではない。
・不登校の時期が学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること。
・「関係機関」が情報共有し,組織的・計画的な,個々の児童生徒に応じたきめ細やかな支援策を策定し社会的自立へ向けて進路の選択肢を広げる支援をすること。
・その環境づくりのために適切な支援や働き掛けを行う必要がある。
・一人一人の状況に応じて,教育支援センター,不登校特例校,フリースクールなどの民間施設,ICTを活用した学習支援など,多様な教育機会を確保する必要がある。
・学校への支援体制や関係機関との連携協力等のネットワークによる支援等を図ることが必要。
これらが現実としてどこまで進んでいるのでしょうか?
2年前と今と何がどのように進展しているのでしょうか?
依然として、鳥取県でも不登校児童生徒の数は年々増え続けています。
全国平均データの比較が好きな行政ですが、鳥取県の「不登校出現率」は全国平均と比べて小中高校ともに上回っています。特に高校での上昇率が高いです。
「出現率」という表現も不適切です。
しかし、具体的な対策として場の設置や支援人材の育成や配置はほとんど進んでいません。
目の前に困っている子がいるにも関わらず、支援体制は十年前からほとんど変わっていません。
中には不登校児童生徒の支援のために組織の充実が図られた自治体もあり、対応の効果が出ている学校もあるとのことですから、それらを共有し多くの自治体や学校で実践されることを望みます。
何をもって不登校の解決とするかはいろいろな考え方がありますが、自治体や学校の取り組みによって改善に向かっている事例もあるとのことなので、それらの情報も共有していきたいです。
これらの課題も「行政との意見交換会」や「県民のつどい」でも取り上げる予定です。
「県民のつどい」を開催する目的は、子どもと保護者の声を真摯に聴いて、学校への支援体制や関係機関との連携協力等のネットワークを鳥取県で広げていくことです。
いじめ・不登校についての関連資料
鳥取県いじめ・不登校総合対策センター
「平成28年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果と今後の取組について」(PDF)
「平成30年度第1回いじめ・不登校対策本部会議の概要について」(PDF)
鳥取県教委 情報・資料提供
「不登校児童生徒の『出席扱い』等についてのチェックリスト」
「不登校児童生徒を指導する民間施設のガイドライン」
「不登校のサインを見逃さないためのチェックリスト」ほか
鳥取県八頭町教育委員会
「不登校児童・生徒が民間施設において指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱い等に関する要綱」
東京都教育委員会
不登校児童・生徒への支援の在り方について
高知県教育委員会
不登校児童生徒の学習評価及び指導要録上の出欠の取扱いについて (PDF)
京都市教育委員会
不登校児童・生徒の指導要録上の出欠の取扱い等に関する要綱