教育

学校教育の制度を変えていかない限りいじめも自殺もなくならない

投稿日:

長崎の中3自殺「過酷ないじめ原因」と第三者委が報告書を提出しました。
第三者委員会が「いじめが原因で自殺した」とする報告書をまとめるのに2年もかかっています。
これは時間がかかり過ぎでしょう。
原因の究明を最優先で行えば、もっと早く報告できたはずです。
さらに、学校と教育委員会が自殺の直後に行った調査は「いじめは無かったという結論に基づいて調査」されたと結論づけています。
昨年、気高中の生徒が校内で自殺した件も、鳥取市教委は即座に「いじめが原因ではない」と断定しています。
きちんとした調査をしていない段階で「いじめが原因ではない」というのはきちんとした対応ではありません。
「私たちに起きた悲劇が二度と起きないようにしてほしい」という保護者の声はこれまでにも何度も出されていますが、児童生徒の自殺はその後も続いて起こっています。
学校内で起こっているいじめ問題を子どもの人間関係はもちろん、教員を含めた加害者、被害者、傍観者の問題だと見るだけではいじめはなくなりません。
いじめによる自殺もなくなることはないでしょう。
競争原理と自己責任に基づく学校教育の制度そのものを変えていかない限り、いじめも自殺もなくなることはありません。
いじめ対策委員会はいじめの事後処理のための組織ではありません。
これまでの対応を見る限り、すべて後手後手に回っています。
そして、教育関係者の責任逃れだけが見えてきます。
ここにも「いじめは個人の問題である」という考え方で完結し、不適切な学校制度や不十分な環境整備などを改善することなく、子どもをとりまく状況に問題はないと前提でいじめ対策を行っているところに大きな問題があります。
その部分にメスを入れていかない限りいじめをなくすことは不可能です。
県教委が設置している「いじめ対策委員会」も根本的なところ、いじめの構造の本質にまで踏み込んでいないため、事後処理担当部門としての位置づけに終わっているのが現状です。
組織としての形はあっても、具体的な取り組みとして機能していないことが問題なのです。
「いじめのない学校を作っていきたい」というのは口だけですか?
学校教育の制度そのものを変えていくことを目的とした組織作りと対策を講じていく必要があります。
長崎の中3自殺「過酷ないじめ原因」 第三者委が報告書
http://www.asahi.com/articles/ASJ165645J16TOLB00Q.html

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-教育

執筆者:

関連記事

「不登校」こそ世間をおおっている錯覚から抜け出すための最大の手立て

全く同感です。 「みんなが錯覚すれば、その錯覚が世の中を左右する」 「いま『不登校気分』に陥らないことは、親にも子にも難しい。むしろ『不登校』こそ、世間をおおっている錯覚から抜け出すための最大の手立て …

「学校に行かない」と決めるのも選択肢のひとつ

どう生きるか、何を選ぶか、どの道に進むかを決めるのは本人なんです。 親のできることは、子どもの意志を尊重することです。 「学校に行かない」と決めるのも選択肢のひとつなんです。 「学校へ行くことが当たり …

国の方が、学校という場だけしか作らないで義務教育違反をしている

「義務教育なんだから学校に行きなさい」と言うのは間違いです。 それは、日本国憲法第26条と教育基本法にも明記されています。 「義務教育」というワードで不登校の子どもたちを責めることの方が法律違反なので …

教育委員会にも相談して何一つ改善されません

こんな事例、自分も思い当たるという保護者の方もあるのではないでしょうか。 「担任から親子の前で暴言を言われて来ました。 学校は、皆だって頑張っているんだからと比較する言動が数多くありました。 本人は参 …

「9月1日の子どもの自殺」各党の対策はこれだけ?(2019年7月参院選)

学校が原因で子どもが自殺する。 第25回参議院議員通常選挙(7月21日投開票)に際し、『不登校新聞』では各政党にアンケートを実施し、「不登校」に関する現状認識や「教育機会確保法の見直し」などについて、 …

スポンサーリンク

スポンサーリンク