鳥取県教委が平成30年8月定例教育委員会で「平成30年度第1回いじめ・不登校対策本部会議の概要について」を公開しました。
読んでみると、突っ込みどころ満載、聞きたいことだらけの内容です。
「鳥取県の不登校の要因について”幅広く”分析を行った結果、主な要因としては学校における組織体制作り、SC・SSWとの連携の難しさ、家庭・学校における生活習慣(早寝、早起き、朝ご飯等)や規範意識、自己肯定感の育成に関わるものが考えられた。」
小中学校課「家庭内会話率の低さが不登校の要因だと納得した。」
とあります。
「不登校1名減の取組」って、それが県教委の目標??キャッチフレーズだとしても不登校を否定しているように感じる。
「家庭内会話率の低さが不登校の要因だと納得した。」って不登校の要因はそれだけではないです。
では、その解決に向けたそのための具体的な取り組みは?
スクールカウンセラーの配置は出てくるが、「担任との関係作り」という言葉が1ヶ所もない?
学校の外部専門家を重視するってこと?
不登校は問題行動ではない、学校復帰を前提にする必要はないにも書きましたが、そもそも県教委は「不登校は問題行動ではない」「学校に戻すことがゴールじゃない」をどう解釈しているのか?
概要なので具体的な対応方法までは書いてないのですが、委員が不登校をどう考えているのか、「対応が難しい」のであれば現実として何ができるのか聞きたい。
などなどたくさんありますが、これらの内容についても「不登校を考える教育行政との意見交換会」で直接聞きたいと思っています。
詳しくは鳥取県教育委員会作成の「教育相談体制充実のための手引き」についてにも書いています。
不登校が増えている理由は「早寝・早起き・朝ごはん」や「家庭内会話率の低さ」?
本当に困っている子どもや親御さんの声は届いているでしょうか?
悩んでいる子どもたちの思いや保護者の願いは聴いてもらっているでしょうか?
文科省は不登校に関して「学校復帰率を上げろ」などとはいっていません。
「不登校は問題行動ではない」「学校復帰を前提にする必要はない」という通知を出しています。
「普通教育機会確保法」によって「学校以外の学びの場」も認められています。
しかし、これらと実際に学校や教育委員会の行っている対応とのギャップが大きいのです。
「困っている保護者の気持ちを理解し、保護者と一緒に努力していく」など書いてあるだけで、現実との開きが大きいです。
そもそも、これまでの教委や学校の対応が不登校を増やし続けているという自覚がない。
それに気づかないで、机上で「対策ゴッコ」の紙だけ作ってもなんの意味もないです。
そして、学校側の都合を優先するのではなく、子ども本人の自己決定を認めることができているかどうかが最も重要です。
多様性を認める、個のニーズに対応するとは「理解」や「思い」だけではなく具体的な「場」の実現です。
そのような場を少しずつでも創っていく必要があります。
不登校が増えている理由は何か?
そこに強制されて行かされる、楽しくない学校があるからです。
学校が楽しかったら、子どもたちは学校へ行きたくなりますよ。
「家庭内会話率の低さ」って、どういう理解なのでしょうか?
10月定例教育委員会の開催後には、平成29年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査」が公表されるので、その内容がどうなっているか注目したいと思います。
こちらもご覧ください。
不登校の理解と支援のための『あした、また学校で Ⅲ』の実行力を問う