教育

大学入試センター試験は「発達障害特別措置」で受験できます

投稿日:

大学入試センター試験は「発達障害特別措置」で受験することができます。
その際、「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」を作成したかも記入する必要があります。
さらに、高校で作った個別の教育支援計画は、センター試験の受験特別措置に必要な状況報告・意見書に使うことができます。
親の会などで保護者の方と話をすると、「個別支援計画があることを知らなかった」という方も少なくありません。
小学校で発達障害や学習障害の診断を受けて支援学級や通級の子どもの場合でも保護者が知らないという実態もあります。

高校受験の際のハードル

さらに、小中学校までは「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」を作成している学校はありますが、高校で作成しているところはまざまだ少ないのが現状です。
また、大学入試センター試験や一部の私立の大学では大学入試センター試験は「発達障害特別措置」で受験することが可能ですが、高校受験においてはそのような措置が講じられていない学校がほとんどです。
そのために、発達障害や学習障害のある児童生徒に対しては、ICTなどの支援機器を活用して個別の学習方法で学んでいても、高校入試の際にはみんなと同じ条件で受験する必要があるために、鳥取県内の中学校の多くは学校での学習方法を一律にして、読み書きなどの訓練をしようとする傾向が強いです。
高校入試で個別の配慮がされるようになり、高校での学習も個別に対応することができれば、発達障害の生徒も自分の能力を発揮することができます。
そうなれば、中学校での学習スタイルも個に応じた方法が取りやすくなりますので、高校受験の際に県内で統一した「発達障害特別措置」が取られるようになることを求めます。

障害者の受験特別措置とは

大学入試センター試験では、障害の種類・程度に応じて、障害のある入学志願者に、申請に基づく審査の上、次のような特別な配慮を行っています。
・点字による出題・解答
・拡大文字による出題
・試験時間の延長
・マーク方式によらない文字又はチェックによる解答
・代筆による解答
・手話通訳者の配置
・介助者の配
・特定試験室の指定

等があります。
また、重度難聴者などリスニングを受験することが困難な者については、リスニングの受験を免除されます。
大学入試センター試験だけでなく、障害のある生徒への入試における特別の配慮を行っている大学も増えてきました。
障害のある人が高卒認定試験を受ける場合にも、さまざまな特別措置が設けられています。

受験特別措置を申請するには

 
受験特別措置を希望する場合は、大学入試センター試験の志願票のほかに受験特別措置申請書に診断書等必要な書類を添えて審査を受ける必要があります。

受験特別措置の対象

発達障害の場合、受験特別措置の対象となる者は、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害のため特別な措置を必要としている者で、試験時間の延長、チェック解答、拡大文字問題冊子の配布、別室の設定等の措置を受けることができます。
申請には申請書に加えて指定用紙による医師の診断書、状況報告・意見書が必要です。
状況報告・意見書は、高等学校が記載することになっており、定期考査の評価等でどのような配慮を行ってきたか、「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」を作成したか。作成していれば可能な範囲で提出等も記述する形になっています。
高等学校に在籍していない者は保護者等が可能な範囲で記入します。
障害は治すことはできませんが、障害があるからという理由で個々の能力が発揮できないというのは大変不利になります。
障害は本人にあるのではなく、社会環境にある。
受験の際も、「試験問題を目で読んで、試験用紙に鉛筆で答えを書く」というだけのみんなが一律の方法では、個々の能力を測定することは難しいです。インプットとアウトプットの仕方が制限されていることそのものが障害なのですから、そこを変えていく必要があります。
詳しい申請の仕方については、高校の進路指導担当教員に聞くといいですが、学校側が個別の教育支援計画がセンター試験に影響することを知らないというケースも少なくありません。
そこで、障害のある子どもさんの親御さんは、このような情報を知っておくと進路選択の幅も随分広がると思います。
受験方法が制限されることなく試験を受けることができれば、一人ひとりのチャンスも大きく広がっていきます。
また、事例は少ないですが、鳥取県内でも保護者の方の努力によって高校の理解が進み、入学後に発達障害のある生徒への配慮がされるようにもなってきています。
高等学校における特別支援教育の手引き(平成25年7月)
「高等学校における特別支援教育の充実を目指して」リーフレット(平成28年4月)
「平成29年度大学入試センター試験受験上の配慮申請書」はこちらからダウンロードできます。
大学入試センター試験の受験上の配慮案内

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

-教育

執筆者:

関連記事

学校側のいじめの事実を隠すという構造こそが問題

学校側は「いじめられている事実は確認されていない」といっていますが、本当でしょうか? 知っていても見てみぬふりをしていたか、対策を講じていたが解決に至っていなかったと考えられます。 事実を隠すという仙 …

感情のコントロールができない子供の怒りのコントロール法

発達障害の子どもの特性がわかってくると、激しい感情や行動に対処するためにクールダウン、タイムアウトという方法があります。 これは、親子関係での対処方法としてはよく知られていることですが、学級にいる感情 …

「不登校は不幸じゃない2019in鳥取県」朝日新聞に掲載

8月27日の朝日新聞に親の会のイベント「不登校は不幸じゃない2019in鳥取県」の記事と親の会の情報を載せてもらいました。 私も鳥取県不登校の親の会ネットワーク代表として「支援センターなど学校以外の居 …

不登校の子どもの権利宣言を知っていますか?

不登校中の子どもや、辛い思いで学校に行き続けている子どもが、一人でも自身に合った生き方や学び方を選べる世の中になるようにと、「不登校の子どもの権利宣言」が作られました。 この権利宣言は、フリースクール …

原発避難の小4に担任が「菌」発言、教育をする資格はない!

いじめ防止対策推進法には欠陥がありすぎます。 文科省、教委、学校の責任についての記述があいまいで、逃げたもの勝ちです。 そんな者たちに教育をする資格はありません。 しかも、多くの国民はそれすら知らない …

スポンサーリンク

スポンサーリンク
21世紀の松下村塾 教育相談無料