大阪市生野区長、山口照美さんの記事です。
生野区も共催している小中学生向けゲーム大会があります。
「ゲームはダメ!」
「ゲームは禁止」
といって、ゲームに関しては規制の条例をつくる自治体がある一方で、こんな素晴らしい取り組みをしているところもあります。
民間出身で大阪市の小学校校長になった人だからの発想なんだと思います。
・ゲームは可能性でいっぱい。
・ゲームは子どもの主体性や自律的な発想を育てる。
・ゲームは人間関係の構築にも有効。
生野区の取り組み、これからも注目です。
ゲームにはいろんな種類がある。
格闘系、パズル系、謎解き系、クリエイティブ系……。
小学校のプログラミング教育は、「マリオメーカー2」でええやん、と個人的には思っている。息子なりに工夫をしてコースを作り、イギリスの若者やオーストラリアの少年がクリアしてくれて、いいね!をくれる。
世界中に、びっくりするようなコースがある。コースを走り抜けるだけで、米津玄師の「Lemon」が自動演奏されるのだ。すごいな。
キャリア教育の点でも、ゲーム業界には将来性がある。
親としてこどもに就かせたいその職業は、果たして10年後も存在しているだろうか?十分な需要があるだろうか?
少なくとも、ゲームおよびゲーム周りのIT業界は10年後も存在している。ゲームクリエイター、キャラクターデザイン、作家、プログラマー、作曲家……多くの人が関わり、ゲームができた後に発売前のチェックや海外向けに翻訳をする仕事もある。ゲーム実況Youtuberも人気だ。e-スポーツもこれから伸びるだろう。
ゲームには冷静な分析力と体力が必要なことが、よくわかる。そして「ゲームが好き」を突き詰めた先に、世界という舞台があることも教えてくれる。
大人たちが「知らない」というだけで、こどもたちの可能性を閉じてはいけない。変化の激しい時代に教育に関わる身として、ゲーム業界に複数の友人を持つ身として、ゲーム好きなこどもを持つ親として、そう思って今回のイベントを企画した。
これだけステイホームの間にゲームに子守りをさせておいて、「禁止条例」なんてセンスの無いものを作るよりは「自分たちでルールを作って遊ぶ」自律的な発想を育てないと、新たなツールは今後もどんどん生まれてくる。
コミュニケーションの取り方、個人情報の守り方、お金や時間の使い方、困ったときの助けの求め方は、どんなにツールが変わろうとも基本は同じ。
そして全く違う角度から、元小学校の校長として伝えたい。
勉強ができる子、運動ができる子、絵がうまい子、歌がうまい子は学校で褒められるけど、「ゲームがうまい」子は褒められる機会がない。それは公教育のフィールドでは、評価する機会がないからだ。だからこそ、別の場を用意したかった。
小学生向けe-スポーツ大会を開催する理由。(山口照美)