教育

鳥取県教育委員会作成の「教育相談体制充実のための手引き」について

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鳥取県教委は、新たに「手引き」を作成し、夏休み中に各学校の支援体制を整えてもらう考えだということですが、これまでも内部の担当者だけで作っている手引きがあります。
その結果が今回の数字です。
まず、この右肩上がりの数字をどう見るか?
鳥取県教委は不登校の要因をなんだと考えているのでしょうか?
学校に行けないのは子どもの自己責任で片付けているのか?
そもそも当事者の声や親の思いをちゃんと聴いていないのではないのか!
ちゃんと聞いていたらこんな内容にはならないはずです
そもそもそ出発点である不登校の本質の理解が不十分です。
さらに、困っている子が困っている状態が長年続いています。
相談窓口はあるにはあるのです。しかし、そこへのハードルが高すぎます。
「相談したくてもできない」「助けて」が言えない子どもたちへどのようにアプローチしていくのか、まずそこが重要です。
「不登校」こそ世間をおおっている錯覚から抜け出すための最大の手立てにも書きましたが、「学校」は学力を競って勝ち残るための手段であるかのようです。「そんな学校」に行っている子の不思議さ、行かなければならないという間違った「義務教育」の理解。
強制収容所のような安全もで楽しくもない場所に無理やり行かなければならない子ども、行かせなければならない親の苦悩はどれほどのものか分かりますか?
学校っていったい誰のためにあるのでしょうか。
学校っていったい何のために存在しているのでしょうか。
「学び」とは何か、「学校」とはどういうところであらねばならないか?
学校が誰にとっても安全で楽しい場所であったら「不登校」なんて起こりません。
学校が安全で楽しくないから「不登校」が増えているのです。
そこを間違えてはいけません。
子どもを変えて学校に強制して行かせるような対策は絶対に間違っています。
また、学校の限界はとうの昔から言わてています。崩壊しています。
子どもも教員も限界を超えています。
目の前のことを「こなす」だけで精一杯です。
だからいろいろな問題が起こっています。
教員個々の力量と努力に頼るような教育システムから改革しなければなりません。
県教委は「支援とは何をどうすることか」支援の目的である「不登校の解決」をどう考えているのか「教育行政と語る会」でも確認します。
7月18日の新聞記事にも載っていた「手引き」。
鳥取県教育委員会は「教育相談体制充実のための手引き~不登校、いじめ等の早期発見及び早期支援に重点を置いたチームと
しての組織体制づくり~」を作成、公開しました。
いいたいこと、つっこみたいことは山ほどありますが、まず、県教委が「不登校を問題行動」と位置付けていることが問題。
今回の重点項目は
・組織的対応や未然防止・早期対応への取組、
・スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW)などの専門家との連携充実
いかにして既存の学校システムの中に不登校の児童生徒を呼び戻すかに終始しています。
教育委員会という立場ではそうすることが解決の姿としている。
・小学校で 17%、中学校で 10%、高校で 34%が専門的な支援を受けていない。」とあるが、もっと多いと思う。
誰にも相談できなくて困っている子や保護者はもっと多い。
・「無気力」「不安」という不登校の要因が多い。
これを引き起こしている要因は学校そのものの体制にあるという認識が必要。
・不登校の要因については、様々な要因が複雑に絡み合っている。
・要因が特定できず、専門的な支援が行われていないケースがある。
この論理はおかしい。
要因が特定できなければ相談や支援ができないのか?
「地教委・学校からあがった意見」における共通点として
・「保護者の考え方や家庭の教育力の低下」「愛着課題・発達課題を抱える子の増加」「原因の複雑化による対策の難しさ」「学校の組織体制づくりとシステム化」の難しさを感じている。
だから、具体的に何をしていく必要があるのか、県教委としてこれまでどう取り組み、今後どうしてくかという具体的な対策が必要。
教職員のための「不登校児童生徒の理解と対策のための研修資料」にはこのような内容が書かれています。
・不登校は病気ではない、「怠け」でもない
・「学校は楽しい」と感じられるような魅力ある学校づくり
・児童生徒が安心できる、自己存在感や充実感を感じられる場所に
・学校の評価が前面に出すぎていることが問題
・困っている保護者の気持ちを理解し、保護者と一緒に努力していく
このような学校を作っていくことこそが不登校の「ひとつの解決の姿」です。
すべての子どもが「学校は楽しい」と感じられたら不登校はなくなります。
と同時に「学校以外の学びの場」を認めることも必要です。
今生きているのがつらくても、居場所はひとつじゃない。きっと自分らしくいられる場所があります。


「教育相談体制充実のための手引きについて」PDF(鳥取県教育委員会)
毎日新聞には「教職員と専門家が協力し、不登校の要因を見つけることが必要とした。」とある。
日本海新聞には「不登校要因が多岐にわたり支援が難しい状況が指摘された。」とある。
「不登校の要因を見つけることが必要」なのに「不登校要因が多岐にわたる」って矛盾してないですか。
日本の学校は本当に狭い範疇でしかものごとを考えられないようになってしまっています。
不登校の解決を「学校に来させること」が目的となってはいませんか?
本質を見誤ってはいませんか?
不登校要因は明確です。
そして、教育委員会として学校としてどんなことに取り組むかも明確です。
問題はそれを実行するかどうかです。
いじめ県内公立校、認知過去最高 県教委「手引き」新たに作成 /鳥取

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