教育

診断よりも大切なことは本人の困難がどうすれば少なくなるか一緒に考えること

投稿日:2017年10月21日 更新日:

ADHDは不注意、多動性、衝動性の3つの特徴がある発達障害です。最近では発達障害の認識も浸透しつつあり、子どもや自分がADHDなのか気になる方も多くなってきている傾向にあります。今回は障害の特徴や専門機関での診断基準があります。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の3つの症状
ADHDはいつ分かる?診断の年齢は?
医療機関でのADHDの診断 専門機関での診断は受けるべき?
どこへ行けばいいの?
診断の流れ、必要な持ち物は?

ADHDの3つの特徴的な症状
1.不注意(集中力が無い)
・忘れ物が多い
・何かやりかけでもそのままほったらかしにする
・集中しづらい、一方で自分がやりたいことや興味のあることに対しては、集中しすぎて切り替えができない
・片づけや整頓が苦手
・注意が長続きせず、気が散りやすい
・話を聞いていないように見える
・忘れっぽく、物をなくしやすい
2.多動性(じっとしていられない)
・落ち着いてじっと座っていられない
・そわそわして体が動いてしまう
・過度なおしゃべり
・公共の場など、静かにすべき場所で静かにできない
3.衝動性(考えずに行動してしまう)
・順番が待てない
・気に障ることがあったら乱暴になってしまうことがある
・会話の流れを気にせず、思いついたらすぐに発言する
・他の人の邪魔をしたり、さえぎって自分がやったりする

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の診断・検査の内容は?ADHDの特徴チェック

DSM-5における注意欠如・多動性障害(ADHD:Attention Deficit Hyperactivity Disorder)の診断基準
A1:以下の不注意症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。
a.細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい。
b.注意を持続することが困難。
c.上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないように見える。
d.指示に従えず、宿題などの課題が果たせない。
e.課題や活動を整理することができない。
f.精神的努力の持続が必要な課題を嫌う。
g.課題や活動に必要なものを忘れがちである。
h.外部からの刺激で注意散漫となりやすい。
i.日々の活動を忘れがちである。
A2:以下の多動性/衝動性の症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。
a.着席中に、手足をもじもじしたり、そわそわした動きをする。
b.着席が期待されている場面で離席する。
c.不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。
d.静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。
e.衝動に駆られて突き動かされるような感じがして、じっとしていることができない。
f.しゃべりすぎる。
g.質問が終わる前にうっかり答え始める。
h.順番待ちが苦手である。
i.他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。
B:不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは12歳までに存在していた。
C:不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは2つ以上の環境(家庭・学校・職場・社交場面など)で存在している。
D:症状が社会・学業・職業機能を損ねている明らかな証拠がある。
E:統合失調症や他の精神障害の経過で生じたのではなく、それらで説明することもできない

アメリカ精神医学会の診断基準第5版(DSM-Ⅴ)による注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害の診断基準
これよりも大切なことは、だからこそ本人の生きづらさや本人にとって困難なことがどうすれば少なくなるか、一緒に考えることです。
最も重要なのが場面の違いによる行動観察です。
大切なことは、子どもの得意・不得意を把握して、その子に合った環境調整と適切な対応をいくことです。
アセスメントの目的はそこにあります。
子どもの臨床心理アセスメントとは?知能検査や行動観察からどうやって子どもの特性を把握していくの?

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