子どもたちが自ら命を絶つ悲劇は一向に減る傾向にはない。
2016年の小中高生の自殺の原因は「学業不振」など学校問題が36・3%、「親子関係の不和」など家庭問題が23・4%、「うつ病」など健康問題が19・7%。
学校問題のうち、いじめが原因とされたのは6件(全体の1・9%)だった。
この統計の取り方、特に「いじめが原因」とされたのは、学校や教育委員会側の加害者が認めた数値だけなので、実際にはもっと多い。
これらの背景すべてに学校振興と学校絶対主義がある。
高橋祥友・筑波大教授(精神科医)は「いじめは深刻な問題だが、いじめ予防だけでは不十分だ」と話すが、この捉え方もまた甘すぎるし、本質をついてはいない。
「いじめ予防だけでは不十分」ではなく、「いじめ予防のための具体的な対策が十分ではない」という表現が正しい。
いじめ防止対策推進法も全く機能していない。
表面的なやらされている感たっぷりのいじめ防止キャンペーンや内部で固めた第三者委員会での「いじめ予防ごっこ」はいじめ予防とはいえない。
こんな「ごっこ」を繰り返してもいじめは永遠になくならない!
東京都監察医務院の福永龍繁院長は「10代の自殺は動機がわからないことが多い。」というのもまた、逃げの口実にすぎない。
大人が子どもの大問題にどれだけ無関心、無責任であるかをいっているようなものだ。
評論家やコメンテーターなど、全く無責任極まりもない。
何度も何度も大人の本気度を問われているのです。
子どもの自殺も大人の自殺も、その背景には学校振興と学校絶対主義がある。
それらが学校問題だけでなく、家庭問題や健康問題の要因になっていることを考えて、抜本的な教育改革、国民の学校に対する意識改革を進めていく必要がある。
多様な学び方や生き方をしていくことを尊重し、学校に対する意識改革は少しずつではあるが進んでいることは喜ぶべきことである。
子どもの自殺を止めるたったひとつの方法
私たちが今すぐにでもできることは、身近な人とお互いに「助けて!」といえるようにすること。
そして、子どもたちに生きるための選択肢はたくさんあるのだと伝えていくこと。
逃げることは弱いことでも恥でもなんでもない!
逃げることは最高に勇気のある行為であることを知ってほしい。
やり直すチャンスはいつでもいくらでもあるのです。
あなたのすぐそばにも、あなたの味方は必ずいます!
子どもの自殺の要因は様々なことが重なり合っていると思いますが、競争社会から共生社会へと学校や社会環境を改善しなくては、日本から自殺がなくなることはありません。
誰かとつながることによって、自殺は防ぐことができます。
学校や社会環境を変えることは簡単なことではありませんが、自殺を止めることができるのは専門家の対応や予防対策だけではありません。
身近にいるあなた自身が自殺を止めさせることができます。
それには、孤独感や絶望感でいっぱいの人にほんの少しでも光が見えるようにすることです。
小さな小さな光でいいんだと思うんです。
あなたの存在や言葉かけによって「明日まで生きてみよう!」と思える瞬間があれば、きっと止めることができるんじゃないかと思います。
一番いけないことが無関心です。
あなた自身が身近なことに関心をもつこと、余計なおせっかいをすること。
お蔭さま、お互い様の気持ちで人と接する人たちが増えていったら、自殺の数も少しは減らせるんじゃないかと思うんです。
私は、環境を変える努力を続けること、そして身近な人に関心をもつことだと考えています。
減らない子どもの自殺 昨年、小中高生320人