障害者雇用「数の」水増し、私もやっぱりそうなのか、どうせまたそういことなんだろうなと思いました。
企業が法定雇用率を達成したいがために、「障害者手帳を持っている障害者」を取ろうとしていた。
特に彼女たちが問題視するのが、雇用率水増しの背景にある官庁が障害者を法定雇用率達成のための「数字」としてしか見ない姿勢です。
「一方で日本には(法定雇用率という)数字があること自体、悲しい。そうまでしないと本当の共生社会にならないのか。私は数字としてみられたくない」
「障害は人によって全く違う。どんな仕事なら障害者が活躍できるか企業や官庁の方が考える努力をすれば雇用は増えるはず」
ブラインドライターの松田昌美さんは、それまでに勤めた4つの会社では、まともな仕事を与えられないことばかりだった。
企業が法律で義務付けられた障害者雇用の比率を維持するためだけに雇っていたと松田さんはみている。
「私は(法定雇用率という)数のためにここにいるんだ、と思った。『座っているのが仕事』と言われ続けてやりがいを感じられるわけがない。何のために毎日寝起きしているのか、と思っていた」
小澤綾子さんは筋ジストロフィーのため手足に障害がある。新卒で入った外資系大手企業で人事を担当する、車いすのキャリアウーマンで、一方で5年ほど前からシンガーソングライターやモデル、大企業向けのダイバーシティ(多様性)の研修の講師としても活躍するマルチタレントでもある。
面接では「小澤さんの病気の人はうちで採ったことがないから難しい」と断られたり、「できないことをすべて挙げてください」「何歳まで働けますか」と聞かれたりし、病気の説明ばかりさせられた。
最終面接まで進み、内定の手応えを感じていた会社からも「小澤さんの病気では(採用が)難しいって上が言ってた。ごめんね」と採用担当者に電話で断られた。「ショックだった。みんな私の病気のことしか見ていない」
その後、ゼミの教官に障害者手帳を取得するよう言われ、気が進まなかったが取ったところ内定が出るようになった。企業が法定雇用率を達成したいがために、手帳を持っている障害者を取ろうとしていたのだろうか。
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執筆者:azbooks