昨年の鳥取らくだカンファレンスにも来てくれた松谷君がTBSの報道番組で取り上げられました。
彼は読み書きに非常な困難を伴うディスレクシアという障害があります。
私は眼鏡をかけないとPCを使った仕事も車の運転も買い物もできませんが、眼鏡をかけたらできるようになります。
視力が弱い人が眼鏡をかければいいように、読み書きに困難がある人がツールを使うことで表現や創作ができるようになります。
2016年4月に施行された「障害者差別解消法」によって、一人ひとりの困りごとに合わせた「合理的配慮」の提供が行政・事業者に義務化されました。
しかし、学校や職場などでの対応は十分とはいえない状況があります。
松谷君が本を読むとき、字を書くとき、彼には文字がどのように見えているのか。
現在高校生ですが、学校ではどのように学んでいるのでしょうか。
学校や社会の中では一般的に「紙に書いてある文章を読んで」「ノートや紙にペンや鉛筆で書く」ことが前提で成り立っています。
そして、「書いたこと」で判断されてそれが評価されています。
しかし、これでは正しい評価とはいえません。
学校では繰り返しドリルがよく使われますが、これがいかに大変で学習効果がない方法か分かります。
私にとっては、裸眼で見える「ぼやけた世界」ではなく、眼鏡をかけて見える世界が「本当の世界」です。
松谷君はIT機器をつかうことによって表現することができるようになりましたが、IT機器を使うというのもひとつの例です。一人ひとりに合った「眼鏡」を利用することが重要なのです。
この高校のように受験の時、入学してからの理解や対応が広がっていくことを期待しています。
「文字がゆがむ」 “読み書き障害”少年の学びは
ディスレクシア(読み書き障害)と診断された静岡県浜松市立和田小学校5年生の男児(11)が昨年3月、学校にタブレット端末の使用を手紙で訴え、今学期から一部機能が使えるようになった。障害でうまくできない部分をタブレット端末が補ってくれ、自信が出てきたという。
新年度に向けて、個々の子どもに合ったツールの合理的な使い方を学校でも検討してほしいです。
学習障害 iPad使わせてください 学校に訴えて可能に