「追悼・吉田昌郎 元福島第一原発所長」
社命に背いて日本を救った男の生き様 2013年08月12日 公開
対談 門田隆将(ジャーナリスト)、田原総一朗(ジャーナリスト)
「福島第一原発の事故後、東京電力は悪の権化のように国民から思われていた。
しかし『死の淵を見た男』(PHP研究所)を読んで、吉田昌郎所長(当時)以下、福島第一原発の現場の人間はほんとうに命を懸けて事故の収束にあたっていたことがわかりました。そうした姿はまったく報道されてこなかっただけに、感動しました。
本書を読んで驚くのは、なんといっても関係者が実名で出てくることです。
東電の広報部を通しての取材だったら、こうはいかなかったでしょう。
原子炉建屋のなかはとても熱く、真っ暗闇のなかを白い粒子が漂っていた。
当時の作業者に「それは放射能だったのか」と聞くと、「わからない」といっていました。
そんななかで、バルブの番号を読み上げながらの作業が数時間かけて行なわれた。
その後、午後11時以降に線量が高くなったため、吉田所長によって原子炉建屋に入ること自体が禁じられました。
したがって、このとき現場の判断で水を入れるラインを確保していたことが、のちのち重大な意味をもつことになる。
そうしていなければ、炉心を冷やすことはもはや不可能になっていたわけですから。」
http://shuchi.php.co.jp/article/1565
追悼・吉田昌郎 元福島第一原発所長
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執筆者:azbooks