日本の学校ではこのような理論研究に基づいた学習はほとんど行われてきませんでした。
何十年もの間学習スタイルは変わっていません。
授業研究にしても一律的な一斉指導ばかりで児童生徒の学習能力を伸ばすことはできていません。
その結果、わかる子は授業がつまらない退屈な時間になり、わからない子は忍耐と我慢を強いられますます劣等意識を強める時間になっています。
教員もただ与えられた課題をこなすだけ、いかに効率的に知識を伝えるかに終止して学びの楽しさを感じることができません。毎年行われている研究会で意味のない誰も使わない、次につながらない研究記録を作って「授業研究をしたこと」にしているのです。学校というところはこういうことにも無駄な時間と労力を使っていますが、誰もやめようという者はいません。「やめよう」と言っても無駄だとわかっているからです。
学校が子どもの才能を潰している理由はここにあります。
知能はIQのような単一のものではなく、8つある
8つの知能の概要は次の通りだ。
<8つの知能>
言語的知能……文字や言語を処理する能力が高く、読み書きが得意
論理数学的知能……物事の筋道を考えたり、因果関係を見つけたりすることが得意
音楽的知能……リズム感や音感がよく、音程やハーモニーを理解することは得意
身体運動的知能……運動能力が高く、体をコントロールすることが得意
空間的知能……空間を的確に認識する能力が高い
対人的知能……他者の気持ちや感情を理解し、良好な関係を築く能力が高い
内省的知能……自分の内面に向き合い、思索したり、表現したりする能力が高い
博物的知能……自然について理解したり、識別したりする能力が高い
たとえば、言語的知能が高い子は「言葉による学習」が得意で、空間的知能が高い子は「絵や図などにビジュアル化すると理解しやすい」といった違いがある。これが学校で提供される指導方法とマッチしないと、結果的に勉強につまずいたり、自分に自信を持って能力を伸ばしたりすることができなくなる。
学校任せだと子供の才能が潰れる根本理由
“8つの知能”に応じた学び方が必要